GE 巨人の復活

GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦

2017/6/13
中田 敦 (著)

 

GEが取り組むデジタル+製造業への取り組みを掘り下げた本。

デジタル製造業へ進んだ経緯や具体的な手法、プラットフォームおよびアプリケーションの説明など、詳細な内容まで記されている。

 

GEデジタルを立ち上げるにあたり、実際にシリコンバレーに事務所を構え、他社から積極的に学んでいったとの事。本気でDigitalizationを進めているのだと感じた。また失敗を許容してムダの少ない開発を進める、リーンスタートアップについても触れられており勉強になった。

 

特にオープンソースソフトウェアを多用してソフトを作り上げている点には驚いた。日本の大企業ではあり得ないと思う。日本手はフリーソフトやオープンな環境は特に嫌う傾向がある。GEも古参大企業だが、その辺はさすがアメリカ企業だと感心した(実態はどこまで日本と違うかはわからないが)。

あくまで製造業に軸を置く姿勢をとっている点に学ぶものがあると感じた。商品にサービスを付属するのではなく、サービス主導で価値を供給するという考え方が大事だが、モノも大事。GEは発電所にたくさんモノを納めていることを利用して、サービスを拡大していく(予定?)。

 

しかしこの本が出版された後、GEは利益を上げることはできず、ジェフイメルトは退任している。かっこいいことは書いてあるものの、一つのケースとしては勉強になった。