ブルー・オーシャン戦略

ブルー・オーシャン戦略―――競争のない世界を創造する

2015/9/4
W・チャン・キム (著), レネ・モボルニュ (著), 入山 章栄 (翻訳), 有賀 裕子 (翻訳)

 

血みどろになった既存市場から抜け出し、

競争のない新市場を創出するための戦略について

書かれた本。

一見すると夢のようなおはなしだが、

様々な実例とともに具体的なフレームワークを示すことで

実用的な内容となっている。

 

本書はあくまでもブルーオーシャンを創出するための戦略本である。

当然、ブルーオーシャンを創造した後には競合も参入してくる。

常に新市場の先駆者が勝者総取りできるわけではないため、

軸足はコアビジネスに置いたまま

自社の強みを活かした競争戦略を考えることも重要だと感じた。

 

読んで感じたことを列挙

・機能を取り除くand大幅に減らす戦略という点に共感した。

 低コストかつメリハリのある戦略にするためには必須。

 成功の復讐により一度市場に受け入れられたものを取り除くのは

 難しいが、一つひとつ各機能の現在価値を見つめなおすことが必要。

 複雑高機能な機械が売れる時代は終わった。

 

・製品の保守性やメンテナンス費用を下げる活動を実施して

 ライフサイクルを通した付加価値を高める活動を目指すべきでは。

 バス製造会社NABIの、自ら価格競争を招いている事例が参考になる。

 

・顧客だけに満足せず、その周辺の代替サービスにも注目することが

 重要。生産財であれば特に自社製品の前後プロセスに着目することで

 ビジネスチャンスがあるのではないかと思う。

 

・T型フォードの普及には技術革新は必要ではなかった。そのほか多くの

 事例が技術革新ではなく価値革新による事例であった。

 技術先行ではなく価値先行、コスト積み上げの価格設定ではなく

 戦略的な価格設定から原価策定が大事だと感じた。

 作ったものを売るのではなく、売れるものを作る考え方に変えていかなければ

 需要が伸びない今後の業界では生き残ることができないように思う。

 

・目指すは技術イノベーションではない。遠く離れた市場を目指すのではない。

 コア事業を使って市場を生み出すことが大事。

 業界の常識は自社の力で変えられるという発想が必要だと感じた。

 特に今働いている業界は競合が1,2社しかない。従来の枠組みにとらわれず

 新たなサービスを創出したいところ。