ブルーオーシャンシフト

 

 

競争のない新たな市場、ブルーオーシャン

泳ぎ切るための戦略本。

前著「ブルーオーシャン戦略」に対し、

本書ではレッドオーシャンからブルーオーシャン

移行するための具体的手法に重きを置いて書かれている。

 

ブルーオーシャンを創造するための5つのステップとして

下記を挙げている。

1.準備にとりかかる。
2.現状を知る。
3.目的地を思い描く。
4.目的地への道筋を見つける。
5.戦略を絞り込み、実行に移す。

これら各ステップについて、それぞれ具体的にツールを示し、

活用方法について述べている。

 

全体的に、具体例が多く挙げられているので

実感が湧きやすい。

揚げないフライドポテト器やシルクドゥソレイユの成功など、

一見すると「発想の転換が上手かったんだなあ」と思う程度の事例でも

その発想へのアプローチの仕方や実現方法には

様々なプロセスが隠されていて、実用性があるように感じた。

 

また技術イノベーションとバリューイノベーション

大きく異なるという点は非常に勉強になった。

グーグルグラスやセグウェイの失敗など、今まで技術先行で

失敗した事例が数多くあることに気づかされる。

技術は高付加価値を達成するためのツールであって、

複雑で難解な技術自体がもてはやされる時代ではない。

この発想に至らないと、いつまでも競争から抜け出せない。

 

何を減らすか、取り除くかが重要という点も共感した。

時代が変わったら求められるものも変わってくる、その時に

常に付け足す開発では頭打ちになってしまう。

いさぎよく、戦略にメリハリをつけるためには思い切って

取り除くことを真剣に考えなければいけないと思った。